感動秘話vol.1 ~ト蔵庭園編~ 2009-10-25

つぶやき

内田咲子、只今感動中!!

24日、5日間の関東滞在を終え奥出雲に帰ってきた。その晩、大阪からお客様をお迎えしていたので一緒に飲みに行く事に...。気分良く飲んだり歌ったりしていると、そこに10人位のグループが!!
もちろん地元なのでほとんどが知り合いだったが、そこに見知らぬ二人が...。
名前を『重森千靑』『橋本善次郎』という。(※重森氏プロフィール橋本氏のプロフィール
一緒にいた地元の方に紹介してもらうと、二人は作庭家。実は奥出雲にある『ト蔵庭園』の修復作業に来ておられたのだった。そして次の日、早速『ト蔵庭園』の修復作業を見せてもらいにお邪魔した。

以前にもここのブログで『ト蔵庭園』は紹介している。http://www.okuizumosanka.jp/letter/2008/07/24-1820.php

今から約300年前に作庭されたこの庭園、ト蔵家の唯一の子孫である椿庵のオーナー田辺さんの『この庭を蘇らせたい!』という思い一心で、ご夫婦揃って始められた庭の剪定や修復。しかし素人がやることなのでとりあえず...のところまでしか出来ていなかった所に、重森氏が現れる。
私は日本庭園の事など全く分からないし、三代続く重森氏がどれだけ凄い人なのかは知らなかったが、話を伺い驚いた☆

今から36年前、昭和48年4月に重森千靑氏のおじい様『重森三玲(しげもりみれい)』氏とお父様『重森完途(しげもりかんと)』氏が良い庭があると聞きつけ、ここト蔵庭園にやってきた。しかし庭は荒れ放題、全国の庭園の実測調査をしていた二人はト蔵庭園も実測をし、平面図を残す。
その平面図を大事に持っていた田辺さん、たまたま島根デザイン専門学校の元校長小林氏と一緒に別のお庭を見る為に奥出雲入りしていた重森千靑氏と椿庵へお食事に。田辺さんは一般の普通にお食事を食べに来たお客様としてこのお二人と話をしていると、この人が作庭家という事を知る。そして『うちにこんな図面があるんですが...。』と見せたという。すると重森氏『えっ、これ僕のおじいちゃんの書いたものですよ!』と...。

ト蔵庭園 平面図.jpg

↑ 重森三玲氏の書いた平面図

ト蔵庭園 昔写真.jpg

↑ 昭和48年、荒れ放題のト蔵庭園の様子を写真に残していた三玲氏

こんな不思議なご縁から、2007年秋から重森氏がこの庭の修復をすることになった。そして今回5回目の修復作業でお越しになっていた。そこにいたのは、全国から重森氏を慕い、修復作業に関わりたい勉強したいと集まった作庭家達、その一人が橋本氏で『茶髪の庭師』として有名な方だそうだ。他にも岡山・名古屋・九州の方からと約10名位集まっていた。お話を聞けば聞くほど、皆不思議な縁でここに集まっていることが分かった。また島根デザイン学校の学生や県内の農林高校の造園課の学生達も授業の一環として集まっていた。

田辺さんの『この庭を蘇らせたい!』という一心な思いが、こんな風な巡り合わせで人々を奥出雲に引き寄せたのである。
そして今、少しずつ300年前の庭園が蘇り、立派なお庭として見る人々に安らぎや癒しを与えているのである。

橋本氏のブログに素敵な内容が載っていた。(↓以下引用)

『庭園修復という作業は非常に難しい。
ただ、作庭当初に戻してしまうのでは意味がない。

樹木は年月をかけて成長する。
土は流れてしまう部分もあれば、溜まる部分もある。

作者がどう思いそこに石を据えたのか、樹を植えたのか、ここには樹を植えてあったのか、地被はどうなっていたのか、など、人それぞれの捉え方により大きく変わってくる。』


ここに集まった一行は一体何を思ってこの庭の修復にあたっているのだろうか?
今から300年前に作られた庭を現代のプロや学生達によって修復されるようになるとは...作った本人は思ってもみなかったことだろう。

昨日・一昨日の出来事からある事を思い出した。数年前私の友人が二人イギリスから遊びに来た。彼らを奥出雲のどこに案内しようかと色々考え車を走らせていると、『ちょっと止まって!』と何度も車を止めさせられた。どこでか...、普通の民家のお庭だった。
私から見るといつも見慣れているそこら辺のお庭。彼らにはこの『そこら辺の庭』がとても素晴らしく映ったようだ。
そしてちょっと調べてみると、やはりこんなお庭がそこらじゅうにある町はそうそうないという事に気付かされる。そしてその事を重森氏に話すと、『この町は歴史があり、文化度の高い町です。こういう事にお金や時間を費やせる豊かな感性を持っている人々が住んでいる素晴らしい町です。』と褒めて下さった。

奥出雲ってやっぱり素晴らしい☆
先祖代々、脈々と続くこの感性を私達も受け継いでいるのだから、世の中の風潮に流されず、『私達の町』を語り継いでいきたいと思う。

さて、最終的にどのような庭が完成するのか...、楽しみである。

ト蔵庭園 改修中.jpg




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