咲子の奥出雲山里だより - 奥出雲讃菓 松葉屋

生まれ育った田舎町をこよなく愛し、一人でも多くの人にここを知ってもらい訪れて欲しいと願いながら和菓子屋の専務として日々奮闘中!家業と地域の発展にどう貢献できるか…ここでどう心豊かに暮らしていくか、そんなこと考えながら日々の暮らしを綴っていきます。

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『そろばん』

今日は『そろばん』のお話です。
『よし!そろそろ、そろばんネタで行こう☆奥出雲と言えばそろばんだし・・・』と思ったのはいいですが、そろばんについての知識が何も無い・・・、ネットで調べればいいや、と思って調べてもあまり出てこないし・・・・困ったなぁと。
そして思いつきました!!『奥出雲には「雲州そろばん伝統産業会館というそろばんについての資料館があるではないか!!』と。
入場料(大人310円)を払い中に入ってみると、はい、そろばんについての資料・展示品がたくさんありました。

伝産会館1.JPG

伝産会館2.JPG


以下そろばんについての話は、ここ「雲州そろばん伝統産業会館」の資料に基づいて書いています。

そろばんが日本に初めて渡来したのが1572年(元亀3年)?、1705年(宝永2年)『美濃屋理兵衛』銘の大津そろばんが最古のものとして現存。1725年(享保12年)この頃大津そろばんの盛況の記録があり、同じ頃『芸州広島塩屋小八』がそろばんを作り、その芸州そろばんを手本にしてそろばん作りを始めた『雲州算盤』の創始者「村上吉五郎」氏が1787年(天明7年)雲州亀嵩(現奥出雲町亀嵩)に生まれた。

【第1期】 雲州算盤草創期                            
1832年(天保3年)『吉五郎』銘に作られたそろばんが奥出雲に残る最古の算盤として現存 
同じ頃雲州算盤ロクロ改良者『高橋常作』氏が横田に生まれる。
1849年(天保12年)雲州算盤の地場産業確立者『村上朝吉』氏が横田に生まれる。
1854年(安政元年)奥出雲横田地区に寺子屋急増
※村上吉五郎創始の足踏みロクロによる珠削り方法を高橋常作ははずみ車付足踏みロクロとして能率を良くした。

【第2期】 雲州算盤の地場産業草創期                      
1872年(明治5年)この頃村上朝吉は珠削りに手廻式ロクロを完成し、その技術を公開伝授、その為横田に職人が急増。    
1876年村上吉五郎死す。

                                      
【第3期】 雲州算盤行商、雲州の製作技法を取り入れ播州に生産革命起こる      
1882年(明治15年)高橋常作死す。1887年(明治20年)差海商人(現島根県湖陵町)によって西日本へ行商が始まり、『雲州算盤』の名声高まる。


【第4期】 阪神商法も見習った雲州算盤商法                    
1904年(明治40年)頃から問屋・妹尾商店算盤部開店や雲州算盤卸商 松浦面曽合名会社等設立される。


【第5期】 阪神へも進出して活躍する雲州職人                  
1924年(大正13年)出雲算盤株式会社創設(横田地区) 機械による学校用そろばんの製作工場を持っていた。


【第6期】 発展期 ~機械化と工場制へ~                    
1942年(昭和17年)頃より各種組合の設立、製造機械の開発潑化する 1960年(昭和35年)協同組合法による雲州算盤協同組合設立


とこのような年表がありました。(かなり抜粋していますが・・・。) 長々と書きましたが、簡単に説明すると、『村上朝吉』さんという人が手廻式ロクロ(正確な珠、形も大小自在)を開発した事により、飛躍的な量産が可能になり、一番はそれを秘伝とせず公開によって横田での生産高が増大し、ここ横田の地場産業として育ったようです。


ここまで調べて、次に『そろばんと工芸の館』へ行って見ました。すると『内田文雄』さんというそろばんの伝統工芸士の方が出てきて下さり、色々なお話を聞かせて下さいました。
『そろばんで発展してきたここ横田も戦後電卓やパソコンが出てきた為、そろばん需要が減り、産業として衰退してきました。私の父達の代にはそりゃあそろばんで儲けたもんです。けど、だんだん需要が減り仕事が減り、良い商売じゃないということで息子達をみんな役場の職員とかサラリーマンにしたんですわ。それで後継者がいなくなって、このままではそろばんの生産拠点がなくなるということで平成10年に5社が合併して、ここ雲州そろばん協業組合'そろばんと工芸の館'を作ったんです。そして最近大学生の数学力の低さ等が言われるようになってそろばんが見直されてきているので、需要が増えたんですが、職人がいないから生産が追いつかないんです。』と。
伺ったところ、現在ここにおられるそろばん職人さんは8名(平均年齢58歳位)との事。

そろばんと伝統の館.JPG

そろばんと伝統の館看板.JPG

そろばん工場.JPG


「そろばんの町横田」と言われているのには、こういう歴史があり、そして今や少しずつ過去のものとなりつつあるのにはそういう訳があったのかと、地元にいても実は今日初めて知りました。

しかし、やはりそろばんは色々な意味でとても良い物なのです。というのも、内田さんが言っておられましたが、「そろばんは『読み・書き・そろばん』という位勉強するのに基礎を鍛えるという意味でとても役に立ち、また集中力をつけるのに非常に適している道具です。最近小学校へ講師として行く機会があるのだけれど、子供達の私語には驚きますよ。昔はあんなこと無かったのに・・・。でもそろばんやっている子ども達というのは集中力が違います。計算能力も高いし。」と。

毎年シカゴから高校生が約15人位、ここ奥出雲にホームステイをしに2週間位やって来るのですが、必ず1日算盤塾の子供達を集めてこのアメリカの高校生の前でやってみせるのです。するとアメリカの高校生達が目を丸くして、凄さに感動して帰ります。私も始めて見た時本当に感動しました!!そして今更ながら、そろばんやっておけば良かったと・・・。



このブログを書くに辺り調べた『そろばん』。算盤を売り、外貨を稼いだだけではなく、行商にいった人達が外の文化を持ち帰りこの奥出雲の文化的背景を作ったという事を知りました。そろばんを通し先代達がこの奥出雲に残したものは大きかったのですが、時代の流れとともに今ここ奥出雲は変わりつつあります。しかし確実に今ならまだ『技』は残っているのです、伝承していける事を願ってやみません。

そしてもう一度ここ奥出雲に住んでいる人が先人達のやってきた事を学び、何を教訓とし、また今後どのようにしていくのがいいのかを考える必要があると感じました。


『雲州そろばん伝統産業会館』

 営業時間:AM10:00~PM4:30
 休館日:毎週月・金曜日(但し、当日が祝日の場合は翌日、年末年始12/28~1/4)
 入場料:個人・・大人360円、高・大学生210円、小・中学生150円
     団体(20名以上)・・大人260円、高・大学生210円、小・中学生100円
 電話番号:0854-52-0369

『そろばんと工芸の館』
 営業時間:
 定休日:
 電話番号:0854-52-0839

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