咲子の奥出雲山里だより - 奥出雲讃菓 松葉屋

生まれ育った田舎町をこよなく愛し、一人でも多くの人にここを知ってもらい訪れて欲しいと願いながら和菓子屋の専務として日々奮闘中!家業と地域の発展にどう貢献できるか…ここでどう心豊かに暮らしていくか、そんなこと考えながら日々の暮らしを綴っていきます。

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遺作展 日本画安部弘延とその弟子たち~ふるさとを愛して~

数年前、父がスタッフの研修会で語ったことがある。


わしが中学1年の時、父親が病に倒れ帰らぬ人となった。そして高校を卒業と同時に和菓子の修行へ。
父親のいない家庭で貧乏だった為、母親は早く俺に帰って来て欲しくせがまれ、技術もまだそこそこ、
もう少し学んで帰りたかったが、4年の修行で22歳で帰ってきた。

その1年後、鳥上にある‘妙厳寺’のご住職から夏のお寺の行事に使うお菓子の注文を頂いた。
当時200~300個のお菓子の注文、そりゃぁ嬉しかったわ。この時はまだ和尚さんとは面識がなく、
ただ作って持って行き、多分奥さんだったかなぁ、渡して帰って来たんだよ。

そしたらまた半年後、今度は年始の行事に使われるお菓子の注文を300個くらいもらってな、
作って持って行ったら今度は和尚さんが出て来られて、こんな話をして下さったんだよ。



 和尚 『あなたが松葉屋さんかね。予想していたより若かったわ。何故私があなたのお菓子を注文
     したか分かりますか?』

 隆穂 『いえ、分かりません。』

 和尚 『あなたのお菓子をもらって食べた事がありました。正直、技術は大したことないなと思った
     けど、一生懸命さを何故か感じました。この想いを忘れずに、頑張りなさい。』


そして、和尚から「いいものをあなたにあげよう!」と。


 和尚 『僕の大学時代の恩師、教育者であり哲学者である“森 信三氏(号:不尽)”が私に書いて
     下さった書です。この意味は説明しません。あなたなら自分で解釈して活かしてくれると思
     うから、差し上げます。』



この時、わしは驚愕したんだよ。確かにあの時まだ帰って間もない頃で、そんなに注文もない時に300
個のお菓子の注文。そりゃぁ嬉しくてな、本当に一生懸命作ったんだ。
世の中には、技術は大したことなくても、そういう想いをちゃんと見てくれる人がいるんだと、本当に
驚いた事を覚えている。

そして、人は見ていなくても神さんがみてくれているんだ。そして例え神さんが見ていなくても、自分
の心がちゃんと自分をみている。 手を抜けば手を抜いた事もみているし、一生懸命したことも必ず
誰かがみているんだと、俺はこの‘みてござる’という意味をそう解釈したんだ。
 

頂いた書は半紙に書いてあったので自分で表装。以来わしの宝物、原点を忘れない為時々見ている。

みてござる 縦



昨年お亡くなりになられた安部弘延先生、その遺作展が開かれると聞きました。
以下、チラシに書いている【遺作展概要】をそのまま載せさせてもらいます。

安部氏は高校時代に岡田麗水氏に認められ、本格的に絵画の道へ進み、大学時代には島根県総合美術展に発出品し佳作賞を受賞しました。事故で身体が不自由になった後も妙厳寺住職の傍ら、花や鯉などを育て“いのち”を描き、特に椿の花の作品が多く、庭に咲く多種の椿を愛でては描き続けました。作品からは、自然のもつ生命力や強さを感じると共に、ふるさとを愛し続けた画伯の心が伝わってきます。日常の暮らしを大切にしながら、やわらかくも確かなまなざしで描かれた作品と、その弟子たちに脈々と流れる素朴な暖かさをどうぞご鑑賞下さい。

弘延先生チラシ

日にち :平成25年6月20日(木)~24日(月)
会 場 :【第1会場】奥出雲町鳥上コミュニティーセンター
      【第2会場】妙厳寺(鳥上コミュニティーセンター先100m)
観覧料 :無料
開館時間:午前10時~午後5時(入館4時まで) ※24日(月)は午後3時まで
主 催 :奥出雲町文化協会
後 援 :奥出雲町・奥出雲町教育委員会
問合せ先:文化協会事務局 0854‐52‐2680(奥出雲町教育委員会内)



http://www.okuizumosanka.jp/

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Author : 内田咲子

奥出雲をこよなく愛し、町内外のひとたちにこの地方の良さを伝えていきたいと思っています。

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