咲子の奥出雲山里だより - 奥出雲讃菓 松葉屋

生まれ育った田舎町をこよなく愛し、一人でも多くの人にここを知ってもらい訪れて欲しいと願いながら和菓子屋の専務として日々奮闘中!家業と地域の発展にどう貢献できるか…ここでどう心豊かに暮らしていくか、そんなこと考えながら日々の暮らしを綴っていきます。

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美味しい理由

"奥出雲の美味しい『食』には、ちゃんとした理由があるんです♪"
先日コメントをいただいたゆうすけ様へのレスにそのように書かせてもらいました。その理由を今日はここで紹介したいと思います!

奥出雲は中国山地の山あいの町の一つですが、この中国山地、全般になだらかな山の集まりで、平原が隆起して形成された地形です。一億年前と6000万年前の二時期、西日本一体で活発な火山活動が生じ、地下部に多量のマグマが貫入し、花崗岩の巨大な岩体が形成されました。山陰側の花崗岩体は6000万年前に形成され、地下数キロの深さにあったのですが、地盤隆起とともに上を覆っていた地層が侵食され、地表に露出され風化していったようです。この風化した花崗岩から砂鉄がよく採れ、また広大な森林が確保できた、こういう理由からこの地方で「たたら」が盛んに行われるようになったようです。(前回のブログで紹介しましたが、「たたら」には砂鉄と木炭が必要です。)

ではこの「地形」と「たたら」が奥出雲の美味しい食に繋がっている理由ですが、まず、花崗岩層からなる中国山脈には鉱物のミネラル成分が溶け込み、長い年月をかけて濾過され、ミネラルをたっぷり含んだ良質な水がこの町に流れているということ。そして300~600mの高原地帯なので昼夜の寒暖差が大きく食物の旨味に関係してくる事。また「たたら」が盛んだったお陰で、鉄を運ぶ牛馬がたくさん飼われ、その牛馬糞が田畑にまかれ栄養分の高い土質となった事。まとめると、
・ミネラルたっぷりの美味しい水
・昼夜の寒暖差
・栄養分の高い田畑
こんな条件が重なり、美味しいお米・野菜ができているという訳なんです♪

そう、JR『出雲坂根駅』構内に湧き出る『延命水』が美味しいのもこういう理由からなんでしょうね!!※成分表をネットで探してみましたが、でてきませんでした(涙) 詳しくご存じの方おられたらご一報下さい。

そして奥出雲の食と言えば、奥出雲和牛も忘れてはいけません!このお肉にも隠れた秘密があります。ずっと農耕用として飼われていた牛ですが、戦後食肉文化が日本に入ってき、ここ奥出雲でも改良が始まりました。どなたが育てられた牛か勉強不足ですが、横田生まれの種牛"第七糸桜号"という黒毛和牛が作り出され、昭和40年代から50年代に4万頭の父牛となりました。子・孫が全国に散らばり、現在の孫の代が全国各地の有名和牛となっているそうです!ですから元々はここ奥出雲の牛が美味しい和牛の発祥の地なのですよぉ!!
詳しくは↓のHPをお読み下さい。分かりやすく説明してあります。
『糸桜系島根和牛とは』より
http://www.itozakura.com/itokei.htm

『島根和牛は日本一』より
http://www.itozakura.com/simnewagyu.htm

ハイ、そして私も大好きな簸上清酒さんの日本酒が美味しいのもこの水とお米のお陰なんですねぇ♪もちろんそれを活かす腕の良い杜氏さんがいらっしゃるというのは言うまでもありませんが...。

こうやってみてみると、奥出雲の食が優れているのには豊かな自然が影響しているという事と、その時代良い物を生み出す(作り出す)「人」がいたことが良く分かります。この自然があったから「たたら」をするためこの町に人が集まり、歴史・文化を形成していったのだと...。こんな不便な山奥だけれども、人々の知恵で住み良くしていたのだと思うと、私達にはそんな人々のDNAが受け継がれているのだから、もう一度住み良い暮らしのできる町にしていかなければならないなぁと思います。

現在奥出雲町の高齢化率はどんどん上がって行っています。そして、農業の後継者がいなくなり耕作放棄地が増えて行っているのが現状です。こんなに美味しい物を育てるのに適している土地なのに、その良さに気付いている人が減って行っていることと、農業では儲からないからこのようになってしまっているのでしょうね。一旦耕作放棄をしてしまうと、その土地でお米や野菜ができるのにかなり長い年月を要してしまうんですよ。残念な事です(涙)

食の安全等が騒がれていますが、何だか不思議な現象が日本では起きていると思います。安心・安全を求めているのだけれど消費者の"安い物"を求めるという事がコストを下げなければやっていかれないメーカーの不祥事へと繋がって行く。同じ農作物や商品、大規模で作られたものと手間暇かけて作られたものの区別がつかない消費者の価格に対するシビアさが、農業をしなくなることに繋がっている。田舎で作られた物、手間暇かけたのだけれど高く買ってもらえないから儲からないから農業をしなくなる・後継者がいなくなるという風に...。

作る側・売る側・買う側のバランスが崩れている事が不幸なんですよね。何とかならないものでしょうか・・・。

この不幸を幸福に変える事が、まず自分の生まれた町を知るに繋がっていると私は信じます。「たたら」がこの町に存在している意味から辿っていく歴史。歴史って受験勉強の為にあるのじゃなくて、心豊かに生きるヒントを得る為に歴史は勉強するものなんだ!と。
もう一度今何が大切なのか、考えなければいけない時期にきていると思います。

「美味しい理由」からこんな話に飛んでしまいました。またまた硬いブログになってしまいましたがお許し下さい。ただもう一度美しい国・日本にする為には、田舎が元気にならなきゃいけないと思うんですよね。田舎が元気になる為には...、まず自分の生まれた町を知りましょう!だと思うんです。

こういった思いを踏まえ今後奥出雲の食や歴史等などお伝えしたいと思います。それぞれに奥が深いし、たくさん魅力的なものがあるので、追いついていけてないです。どうか気長にお待ち下さい♪

今回このブログを書くにあたりお世話になった本がありますので紹介します!昨年6月に発行された①『出雲・雲南ふるさと大百科』という本と横田町時代に発行された②『横田歴史文化写真帖』という2冊。ここからかなり引用させてもらっています。
特に①は県内の本屋さんで売ってるはずですので、興味のある方は是非!約1万円とちょっとお高いですが、その価値十分の内容の濃い本です☆



コメント

こんばんは、ゆうすけです。奥出雲の『食』は、色んな要素がまざりあって出来ているんですねぇ。良質な水、栄養分の高い土、気候の変化・・・ これだけ揃っていれば、そりゃ延命水も美味しい訳だ。奥出雲について知らない事まだまだ沢山ありますが、以前言われてた『再発見!』が出来て幸せです。ありがとうございます。自分みたいな都会で働く人間が言う事ではありませんが、農業をやる方々が減っている事は残念です。たまに実家に帰って思うのですが、街中は色々な建物が出来ていて「変わったなぁ」の反面「寂しいなぁ」という思いもあります。仕方の無いことかも知れませんが、出雲が『都市化』していく事に寂しくもあり、不安でもあります。この「不安」が農業離れに繋がっているかは解りませんが、実家に帰るたびに、そう感じます。硬いメールですみません、ブログを読んでふと思いました。

食の安全の問題はこちらでもビンビンに入ってきます。とくにアメリカって国はいままでそこらへんにきわめて鈍感なところもあったので、最近になって中国製品の不買運動をする人、遺伝子組み換えの食品についての危険性を訴える人が増えています。いまや健康の大切さはどんな人にも一番の関心事です。
ただ残念なことにすべて安全な食品において生活をするイコール、高いExpenseが伴ってきます。つまりはこれらの食品が買えない生活レベルの層のために安い食品は作り続けなくてはいけないのもまた然りです。
よく私もお客様をつれて中西部の穀倉地帯へいきました。ものすごい量のとうもろこしや大豆がそれこそ機械的に作られていく様は圧倒的な迫力があります。ただこれらの多くは「美味しい」というものではないんです。これをオイシくするためにいろいろな知恵をつかっていろいろな加工食品へと変えていくわけですね。
アメリカの食品加工・外食産業は恐ろしいくらいにすごいんです。とくにファーストフードの調理機器はよく考えられていて、食べ物を効率よく提供する、つまりリョウリできるように設計されています。
美味しさを感じるってのは大切な感性なはずです。だって、まずいものって体に悪そうじゃないですか。あるいみこの感性は人間の防御本能のひとつのはずなんですよね。美味しいことはすばらしいことなんですよ。
ご存知の方も多いはずですが、実は奥出雲発の食事法がアメリカで紹介されています。いかに食文化に優れた土地かがわかりますね。
美味しいはすばらしいんです。これからも奥出雲は美味しいところであり続けることでしょう。

>ゆうすけ様
*たまに実家に帰って思うのですが、街中は色々な建物が出来ていて「変わったなぁ」の反面「寂しいなぁ」という思いもあります。仕方の無いことかも知れませんが、出雲が『都市化』していく事に寂しくもあり、不安でもあります。
難しい問題ですよね。田舎からどんどん都会へ出て行く人達を止めたいが為の都会化(何を持って都会化というのもありますが)だったり、ここに残っている人達の便利さの為の都会化だったり。
住んでいると分からなくなってしまう田舎の良さを是非伝えたいです!そして都会から是非田舎に帰って来てもらいたいものです!!
>おやじ様
*ただ残念なことにすべて安全な食品において生活をするイコール、高いExpenseが伴ってきます。つまりはこれらの食品が買えない生活レベルの層のために安い食品は作り続けなくてはいけないのもまた然りです。
そうですよね。しかし「これらの食品が買えない生活レベルの層のために…」という、‘この層’というのに一生懸命農業や林業や漁業、つまり一次産業の人が入ってしまうという何ともおかしな世の中だと思います。
人々の為に安全な食品を作っている田舎の一次産業の人が儲からなくなってしまっているというのは、なんとかしなければならない事ですよね。
お洒落で、カッコ良くて、儲かる農業ってできないものでしょうかね?!奥出雲から発信していきたいものです。
アメリカで紹介された食事法のフリ、ありがとうございました!
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Author : 内田咲子

奥出雲をこよなく愛し、町内外のひとたちにこの地方の良さを伝えていきたいと思っています。

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